神保町に来て、どのくらい経ったのか?
たぶん、20年以上になる。
以前の棲息地は、九段坂下の近く、現在は白山通りと、渡り歩いた。
ここ数年の流行り病などの後から加速度的な解体に、
普段は気づかなかったが、既に自分の記憶にしかないような
街になってしまったのではないか。
取り残されているような、置いてかれているような、
そんな思いすらする。
老朽化したビルは、トタンに覆われたかと思うと、
跡形もなく消失し、その後にはさらに高いビルが建設される。
いかにも都市の新陳代謝のようだが、
ふと、もう失われた景色が、突如現れたりもする。
乱反射する光線の悪戯か、視覚と記憶のバグか。
どのみちその光景も過去の遺物のように
睡魔の中に溶けてなくなるのであろうから
あますことなく都市の翳に宿りし、光景をブログにしたためてみた。